薬事法の一部を改正する法律(平成18年法律第69号)が今年6月1日に施行され、医薬品の販売制度が変わった。国民の健康意識の高まりとともに「セルフメディケーション」の普及と浸透が考えられ、厚労省が一般用医薬品(OTC)の販売制度緩和を図ったもの。
ます、OTCに配合される延べ485成分を服用時のリスクに応じて分類し、その配合製剤をリスクの高い順に第一類、第二類および第三類医薬品にグループ化した。旧法は全てのOTCを薬剤師が販売すると定めていた。しかし、今回の改正で第二類と第三類なら、都道府県が行う試験に合格し、勤務地の知事が登録する「登録販売者」も扱えることになる。また、薬剤師だけが扱える第一類医薬品は、抗潰瘍成分H2レセプターアンタゴニストや抗真菌剤(水虫薬)など、医療用から転用した10成分ほどの製剤(スイッチOTC)にすぎない。
建築物衛生法でいう医薬品殺虫剤は第二類医薬品とされた。厚労省は厚生科学審議会医薬品販売制度改正検討部会の報告(平成17年12月15日)を受け、殺虫剤を「配合成分に着目した評価が適当でないので製品群としてリスク分類した」という。
それにしても、そもそも殺虫剤を医薬品としてリスク分類しようとすることの方がおかしいのではないか。この際。殺虫剤を薬事法から除外し、農業用殺虫剤や生活害虫防除剤とともに一元的に管理するなどの案はなかったか。希釈倍率が高い農薬並の製品が使えることになれば、溶媒による環境汚染も低減し、よりグリーンなIPMも可能になる。
なお、今次の改正に伴い医薬部外品の定義(第二条、2-二)が変更され、医薬部外品殺虫剤は直接の容器・包材に「防除用医薬部外品」と表示することになった。(龍)